味トレンドレポート・番外編「味」への好奇心旺盛な社員が、とっておきのトピックをお届けします!
今が旬! 夏野菜の主役「なす」の様々な種類とその味わい
はや2009年も7月に入り、これから夏到来のシーズンである。野菜に関しては近年の技術革新により1年中収穫できる野菜が増え、季節感を感じるものも少なくなったが、やはり夏野菜といえば「なす」である。関東近郊では「卵形」と呼ばれる細長く丸みを帯びてやや小ぶりなナスがほとんどであるが、地方によってなすには実に様々な種類がある。その味わいに迫った。
加熱すると渋味が落ちる
図1は渋味の先味(渋味刺激)の味数値を、生の千葉県産なす(関東に流通する一般的卵形なす)を100%とした濃度差換算相当の%に直して表記したもの。比較したものは水なす(大阪府産)、賀茂なす(京都府産)、米なす(高知県産)、赤なす(熊本産)。それぞれ生のものと焼いたものとで測定した。その形状は中段の写真をご参照いただきたい。なお、焼きの条件は厚みを1cm程度に切り、200℃のホットプレートで片面3分、もう片面を2分焼いたものを試料とした。 図1の通り、加熱処理によってなすの渋味は減少した。渋味が減少すれば相対的に旨味や甘味が増加すると考えられるため、やはりなすは加熱調理によりおいしくなると言えそうだ。しかし、その減少幅は品種によって異なるようだ。水なすや賀茂なすは焼くことによる渋味の減少が大きい。他のものより旨味や甘味を感じやすくなると推察される。
様々な なすの味わい
図2は焼きなすの渋味の先味(渋味刺激)、旨味の先味(旨味)、味の濃さ(塩味)、渋味の後味(渋味)、旨味の後味(旨味コク)の味数値を標準化し、レーダーチャート化したもの。なお、なすに含まれるアミノ酸は甘味を呈するものがあると考えられている(参考:野菜のおいしさ検討委員会H20年度報告書)ため、アミノ酸、核酸由来の旨味を捉える旨味の先味、後味に関しては単純な旨味のみを検知しているわけではない可能性がある。 卵形なすをバランスのいい平均的な味わいと考えると、水なすは旨味、特に後味に余韻の残る味わいであることがわかる。賀茂なすは全体的にあっさりしているが旨味の先味が強い。米なすは旨味の先味が弱い分、後味全体がより濃厚に感じられるだろう。赤なすは先味は強いが後味がすっと引く。 今年の夏ももうすぐ本番。お好みのなすを見つけてみるのもいいのではないだろうか。 ※ 各サンプルは生もののため、季節感差、個体差があります。本項のデータは絶対的評価ではございませんのでご了承下さい。


図2
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図1